同じ病気なのに、驚くほど早く元気になる人がいます。一方で、検査では「もう大丈夫です」と言われても、その後半年たっても、一年たっても、以前の生活に戻れない人もいます。
私は長い間、なぜその違いが生まれるのかが分かりませんでした。研究室では細胞を見つめ、診察室では患者さんと向き合いながら、私はずっと一つの問いを追い続けてきました。
人は、なぜ回復できるのだろう。
そして、なぜ回復できなくなるのだろう。
その問いを追い続けた三十五年間の先に、私は一つの考え方へとたどり着きました。それが、回復力(Recovery Capacity)という考え方です。
(「はじめに」より)