私の出発点は、「老化」でした。
医師として長く患者さんを診ていると、同じ70歳でも、まったく違う人たちに出会います。
風邪をひいても数日で元気になる人。
手術を受けても、比較的早く日常生活へ戻れる人。
一方で、感染症そのものは治ったのに、「先生、以前の自分に戻った感じがしません」と話される方もいます。
年齢は同じ。
病名も同じ。
治療も大きくは変わらない。
それなのに、「その後」が違う。
私は、ここに老化を考える重要なヒントがあるのではないかと思うようになりました。
老化とは、単に年齢を重ねることではなく、何かが起きたあと、元の状態へ戻る力が少しずつ失われていくことではないか。
2024年に『老化は「治る」』を書いたとき、私の問いは、How can we slow aging?
どうすれば老化を遅らせられるのかでした。
しかし、その問いは次第に変わっていきます。
Aging is not simply time.
時間そのものでは説明できない「違い」が、そこにある。
その違いを知るために、私はさらに身体の内側へ進んでいきました。
そして出会ったのが、ミトコンドリアでした。
Tomorrow|DAY 2
なぜ私は、ミトコンドリアに注目したのか。
