SFミトコンドリアマン「血流編」

「流れを失った都市

ある日、セルロンの街が少しずつ静かになっていました。

建物は壊れていません。

道路もあります。

川も流れています。

それなのに、街には活気がありません。

小さな細胞が言いました。

「おかしい……」

「ちゃんと流れているはずなのに。」

あなたなら、この街の何がおかしいと思いますか?

「犯人は詰まりではなかった」

ミトコンドリアマンが静かに川へ入ります。

敵はいません。

爆発もありません。

彼は流れを見つめます。

そして一言。

「これは詰まりじゃない。」

細胞たち

「え?」

ミトコンドリアマン

「流れる力を失っているだけだ。」

血管はパイプではない。


「血管は臓器だった」

街全体がゆっくり呼吸し始めます。

光は一気には戻りません。

少しずつ

少しずつ

末端まで届いていきます。

疲れていた細胞が初めて笑います。

ミトコンドリアマン

「強い血流はいらない。」

「反応できる血管が必要なんだ。」

巨大なセルロン

ゆっくり呼吸

そして

老化とは

血流が止まることではない。

流れを調整できなくなることだ。

MITO RISING