AGE 66|THE AGE OF RECOVERY: DAY 16 / 365

Recovery Becomes a Legacy.

回復を診て、測り、支え、そして未来へ残す日 ―

66歳になって16日目。

今日は、外来診療の合間に、いくつもの「回復」と向き合った一日でした。

午前中は、私が配置医師を担当している特別養護老人ホームへ。

高齢の患者さんを診察しながら考えていたのは、この方には、今どれだけ「回復する力」が残されているのだろうということでした。

病名だけでは分からない。

検査値だけでも分からない。

栄養、筋力、臓器機能、食べる力、眠る力、そしてこれまで身体が歩んできた長い時間、そのすべてを診ながら、その人のこれからを考える。


午後には、Rhelixaの皆さんとのオンライン面談。

そこで話したのは、エピジェネティッククロックの「現在」と「未来」でした。

私が知りたいのは、「何歳若いか」ではありません。

一回の測定は、一枚の写真。

しかし、それを1年、2年、3年と追い続ければ、

Trajectory ― 生命の軌跡

になります。

実際、今日校了した本の中でも、エピジェネティッククロックをRecovery Capacityそのものを測るものとはせず、「その人の身体がこれからも回復できる状態にあるのか」を考える一つの窓として位置づけました。

「若さ」を測る医療から、「どちらへ向かっているのか」を診る医療へ。

今日の対話から、その次の研究への入り口が見えてきました。


そして、もう一つ。

数日前に特別養護老人ホームへ入所された患者さんのご家族に、現在の状態を説明しました。

回復することが、次第に難しくなっている生命。

ご家族と話し合い、これからは無理に生命の長さだけを追うのではなく、苦痛をできるだけ少なくし、その方らしく穏やかに過ごしていただくことを大切にする。

看取りです。

ここにも、今日改めて考えさせられた「回復」がありました。

Recovery Medicineは、すべての人を元に戻す医療ではない。

回復できるときには、その力を支える。

そして回復が難しくなったときには、その人の人生を最後まで支える。

それもまた、医療なのだと思います。


そして今日、もう一つ大きな節目を迎えました。

新書 第1巻

『回復力を取り戻す!』

本日、校了。https://amzn.asia/d/03agBHji

35年以上、診察室で患者さんを診ながら、研究室で細胞を見ながら、ずっと考えてきた問いがあります。

なぜ、同じ病気でも回復できる人と、回復できない人がいるのか。

ATL・慢性炎症・ミトコンドリア・免疫老化・Long COVID / ME/CFS、それまで別々に見えていた問いが、やがて一つにつながりました。

Recovery Capacity.

今回校了した第1巻は、その35年間の思考を、「病気を追い続けた先で、生命という共通原理にたどり着いた」物語として一冊にしています。

そして本は、第10章で終わりません。

終章のタイトルは、

「回復の時代へ」

です。

今日、この言葉がいつも以上に重く感じられます。


朝、私は回復力を診ていました。

午後、私は回復力を測る未来を話していました。

夕方、私は回復が難しくなった生命にどう寄り添うかを、ご家族と考えていました。

そして同じ日に、35年間考え続けてきた「回復力」という問いが、一冊の本として私の手を離れました。

今日一日を振り返ると、四つの出来事は偶然並んでいたのではないように感じます。

SEE:回復力を診る。

MEASURE回復力の軌跡を測る。

CARE回復が難しいときにも支える。

LEAVEそして、次の世代へ残す。

SEE → MEASURE → CARE → LEAVE

これが、今日の私の一日でした。


AGE 66|THE AGE OF RECOVERY: DAY 16 / 365

365日を始めたとき、私は、

How much can we recover?

という問いを掲げました。

でも16日目の今日、その問いは少し広がりました。

How do we see recovery?

How do we measure it?

How do we care when recovery becomes difficult?

And what do we leave for those who come after us?

回復とは、医学だけの問題ではない。

人がどう生き、どう支えられ、そして何を次の世代へ残していくのか。

今日、校了した本の最後には、第2巻へ向けて、生命の物語は、「細胞」から「ネットワーク」へと記されています。

だからDAY 16の最後の言葉は、これがふさわしいと思います。

Recovery is not only what we regain.

It is also what we leave behind.

回復とは、自分が取り戻すものだけではない。

次の人へ残していくものでもある。

Recovery Becomes a Legacy.

これは、66歳から掲げている「何を成し遂げるか」から「何を残すか」への転換とも重なる、AGE 66シリーズの一つの節目になるDAY 16だと思います。