🧬 健康TIPS 第80回
私はアンチエイジングを追求するなかで、どうしても避けて通れない存在にたどり着きました。
それが、ミトコンドリアです。
私たちは健康というと、次のようなさまざまなものを思い浮かべます。
- 腸内環境
- 免疫
- 睡眠
- 運動
- 栄養
もちろん、どれも大切です。
でも、もっと深いところで、脳を働かせ、心臓を動かし、筋肉を動かし、傷ついた細胞を修復し、もう一度立ち上がるためのエネルギーを支えているものあるのです。
地球の歴史をさかのぼると、酸素はかつて生命にとって危険な存在でした。
その酸素を逆に利用し、効率よくエネルギーを生み出す能力を持った細菌が、別の細胞と共生するようになった。
その遠い生命史の名残が、いま私たちの細胞の中にあるミトコンドリアです。
つまり私たちは、何十億年もの「生き延びる工夫」を、細胞の中に受け継いでいるとも言えます。
ミトコンドリアは単なる「細胞の発電所」ではありません。
エネルギーをつくる。
酸化還元状態を整える。
炎症や免疫応答に関わる。
細胞死を制御する。
ストレスへの適応を支える。
そして、傷ついたあと、もう一度働ける状態へ戻る。
そのための土台にもなっています。
Aging is not simply the passage of time.
Aging is the progressive loss of our capacity to recover.
老化とは、単に年齢を重ねることではない。
老化とは、「戻る力」が少しずつ失われていくこと。
若いころは、疲れても眠れば戻った。運動しても翌日には回復した。風邪をひいてもすぐ元気になった。
ところが年齢とともに、「前の状態まで戻るのに時間がかかる」ようになります。
私は、この力をRecovery Capacity|回復力と呼んでいます。
ミトコンドリアこそ、Recovery Capacityを細胞レベルで支える中心の一つ
だから、ミトコンドリアを守ることは、単に「若返る」ことではありません。
疲れたあとに戻る。病気のあとに戻る。ストレスのあとに戻る。傷ついたあとに修復する。変化した環境に適応する。
つまり、何度でも生き直せる身体をつくること。

- 第77回では、「戻れる身体」
- 第78回では、「睡眠によるDNA repair」
- 第79回では、「NPAS4による回路再編成と適応」
を見てきました。
そして第80回では、そのすべてを支える土台として、ミトコンドリアに戻ってきました。
Repair → Recover → Adapt → Begin again.
その繰り返しが、生命です。
ミトコンドリアを知ることは、自分の中にある「回復する力」を知ること。
MITO RISING|THE AGE OF RECOVERY